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TechRAMEN 2025 Conferenceに参加しました!

こんにちは。技術開発室の井上です。実は、ここに記事を投稿するのは初だったりします。

このブログはマークダウン記法では書かれていないのですが、見出しを書く時についクセで先頭に”# “をつけてしまいます。よろしくお願いします。

 

私事ですが、先日旭川にて開催された「TechRAMEN 2025 Conference」というカンファレンスに参加してきました。今回はその参加レポートを投稿します。

 

TechRAMENとは

TechRAMENとは、「Technology Roundtable on the future of Asahikawa
for Makers and ENgineers.」の略です。日本語に訳すと、「上川地方に技術の知見を惜しみなく注ぐ,技術好きのための円卓会議」となります。

(TechRAMEN 2025 Conference 公式サイトより引用)

要するに「上川地方(今回は旭川)に日本中のITエンジニア(など)が集まってワイワイする会」という認識で良いかと思います。

 

こちらは2024年に始まったカンファレンスで、今年が2回目の開催となります。(私は運良く初年度から参加できました)

そしてなんとこのカンファレンス、イベント当日の前日や翌日に有志による関連イベントも用意されており、複数日にわたって楽しむことができます。最高ですね。

 

イベント後の懇親会もあります。おいしい料理に舌鼓を打ちながら、他の参加者の皆様との親睦を深められました。

ということでここからは私が参加したセッションやワークショップの中で、特に気になったものについてお話します。

(非公式前夜祭) 多田さんとのSpring勉強会!

こちらはJava Doという、北海道のJavaユーザー向けのコミュニティが主催のイベントです。

このイベントでは、多田真敏さま(@suke_masa)による、Spring Framework関係の各種ライブラリの使い方の講義が行われました。

トピックは以下の3つです。

ハイレベルSpring Security -アーキテクチャ、カスタマイズ、コードリーディング-

このトピックは、Spring Securityのアーキテクチャの全体像を、図とサンプルコードを見ながら学んでいくという内容でした。私のSpring Securityについてのスキルレベルは、「入門書を読んだり公式ドキュメントを漁ったりしながら、なんとなく標準(っぽい)実装ができる」程度で、誰かに習ったり、体系的に学んだことが無かったので、このセッションは非常に学びになりました。特に

  • Spring SecurityのFilter Chainでは、セキュリティに関係ない処理は入れない方がいい
  • Authentication Providerの正しい活用法

あたりの話がとても興味深かったです。Spring Securityは、多くのクラスが複雑に絡み合って認証/認可の機能を成立させているので、学ぶのが大変ですね。

(単一責任の原則を徹底して守っている良い設計である、とも言えます)

 

資料も公開されていますので、Spring Sessionに興味のある方はぜひご一読ください。

入門Spring Session

このトピックでは、以下のような流れで、セッションの仕組みとSpring Sessionの使い方について学びました。

  • そもそもセッションって何?
  • セッションが抱える問題
    • 問題1:APサーバが複数台あって負荷分散する場合、セッションをメモリに保存していると管理できない
    • 問題2:アプリが止まったらセッションが消える
  • 解決策
  • Spring Sessionの使い方

セッションの仕組みについての解説が非常にわかりやすかったです。今後の新人研修の時などに、今回の話を参考にしようかと思います。

また、セッションが抱える問題についての解決策についての説明も明快でした。

  • スティッキーセッション(問題1は解決)
  • セッションをシリアライズ(問題2は解決)
  • セッションをシリアライズしてさらに外部ストレージに保存(1と2の両方が解決。ただしちょっとレスポンスは遅くなる)

そしてこの解決策を実装するためにSpring Sessionを使うと良いそうです。

 

こちらも資料が公開されています。おすすめです。

 

Springの地味に便利な新機能: JdbcClientとRestClient

Spring FrameworkのJdbcClientとRestClientについての解説でした。

JdbcClient

JdbcClientを使うと、Mapperクラス内にSQLがシンプルに書けるぞ!という話でした。私は普段MyBatis派なのであまり使う機会は無いかもしれませんが、Javaのロジック内にSQLを書きたい人は使ってみてはいかがでしょうか。

余談ですが、このトピックの冒頭でORマッパーの話が出た際に「理解しなきゃいけない技術が多すぎて、ORマッパーで悩んでるヒマなんて無い」という発言が飛び出したのが印象的でした。これは本当にその通りだと思います。

RestClient

HTTPクライアントの一種です。ロジック内で外部のAPIにHTTPリクエストを投げてレスポンスを受け取るまでの一連の処理がスッキリ書けるようです。

これはちょっと使ってみようかと思いました。

 

こちらも資料が公開されています!

TechRAMEN 2025 Conference 本祭

 

実機を触って繋ぐ、ネットワークの一歩目体験会

CiscoのルーターにSSHでアクセスしてVLANを1から構成し、ネットワークの仕組みについて学んでいくワークショップに参加しました。(ルーターは講師の方の私物だそうです)

私はルーターの設定については、GUIでなんとなく眺めて軽く触ったことぐらいはありました。しかし、SSHで繋いで各種設定をすべてコマンドで行うというのは初めてだったので、とても新鮮でした。ちょっと家で遊ぶ用のルーターが欲しくなりました。

このワークショップの参加者は、私を含めて4人でしたが、皆特に大きなトラブルなく演習を進めており、講師の想定より早く終わったのが面白かったです。 そしてそのおかげで、本来出す予定じゃなかった追加コンテンツが大量にデプロイされてきたのが最高でした。

 

MCPサーバー開発はプログラミング入門にうってつけ!

やはり昨今はAIエージェントが流行っており、AI関連のセッションも多かったように感じます。これもその内の1つです。

MCP(※)は以下のような要素があるのでプログラミング入門に最適!という内容のセッションでした。

  • 成果物の実用性が高い
  • 実装のハードルが低い
  • 登場してから日が浅い概念なので、今やっておけばアドバンテージが取れる
  • 需要がある

わかります。私もMCPサーバー作ろうかと思いました。どんなMCPを作るかは考え中です。

(※MCP:AIが、外部のツールやデータと連携するためのプロトコル(規則)が定義されたもの。これを使うと、MCPの作り方次第で、AIがありとあらゆるサービスと連携できるようになる)

さいごに

他にも面白いセッションが盛り沢山でしたが、いったんここで締めようと思います。

𝕏のハッシュタグ「#techramen25conf」で検索するとイベントの様子が見られますので、興味がある方は調べてみてください。

あと公式サイトのタイムテーブルを見ると、どんなセッションがあったのかがわかります。

 

ちなみに次回のTechRAMENは2026年の秋に富良野にて開催される予定だそうです。私はきっと来年も参加します。